日本人は投資が下手だと言われる。これはある意味事実であり、ある意味嘘かもしれない。
何より世界でも最も初めに先物取引を始めたのは日本人である。
日本の教育はあまりに画一的なので自由な思考を必要とする投資が苦手なのも無理はないのかもしれない。つまりこれは明治以降の傾向である可能性もある。
そこで私は日本人のために投資しない投資法を提案したい。
非常にシンプルな観点なので経済音痴の日本人でも理解できるはずだ。
その観点とは、第一に、リスクヘッジだけをするということ。第二に通貨高か通貨安しかない、と理解することでである。
永遠に一方通行の相場はない
ジンバブエの例を見てみよう。
2000-2007年の7年間に通貨供給量は130万倍に達し、物価は650万倍に上昇した[43]。2008年7月のジンバブエのインフレ率は、2億311.5万%となった[44]。 2008年時点で年率220万%に達し[43]、同8月にジンバブエ準備銀行は、通貨を切り下げるデノミネーションを行った。
その後のインフレーションの影響で9月30日に2万ジンバブエ・ドルの発行など、デノミネーション後に20種類の紙幣を発行し、同12月19日に100億ジンバブエ・ドル紙幣を発行した。最近8年間で23桁以上のインフレーションとなっていて、うち2008年だけで約14桁、9月から3か月で約10桁のインフレーションとなり、最終的には『100兆ジンバブエ・ドル紙幣』が発行された。
さらに2009年2月2日、1兆ジンバブエドルを1ジンバブエドルに、桁数にして12桁を切り下げるデノミネーション措置を講じた。結局同年2月にジンバブエ政府は、公務員給与を米ドルで支払うと発表し、紙屑同然のジンバブエ・ドルが公式には流通しなくなり、4月12日にはジンバブエドルの流通停止と、アメリカ合衆国ドルおよび南アフリカランドなどの外貨導入により、自国通貨の放棄を発表することを余儀なくされた。
その後、外貨の使用に伴ってインフレーションは沈静化し[45]、デフレーションとなった。(Wikipediaより)
ジンバブエのハイパーインフレーションは終息したのでだろうか。
(https://ecodb.net/country/ZW/imf_inflation.html)

ガーン 全然収束してないな…
しかしこのジンバブエでさえインフレとデフレを繰り返していることがわかるだろう。
そしてもう一つの事実に着目してほしい。それはデフレの進行は常に一時的だということだ。通貨の信用が失うのは底なしだが、通貨の信用が高まることには上限があるというのが真理なのである。そして底なしと言っても期限はあるということなのだ。
ハイパーインフレーションはよく聞くがハイパーデフレーションは聞いたことがないだろう。それが証拠である。ハイパーデフレーションはいまだ存在したことがないのである。今後も絶対にないとは言えないが、通貨高とは必ずしも悪ばかりとは言えず、外国資産を格安で買えるようになるのでもしハイパーデフレーションなどというものが起きればその国の人間は他のすべての外国資産を紙屑のような価格で買い占めできるという事なのである。
しかしその状況では極めて不景気になるのでそんな余裕はないかもしれない。そううまくは行かないのが経済なのだ。
つまりあなたがすべきことはこの通貨安に対するリスクヘッジだけ、ということになる。
そして超円高では不況は起きるが対外的な通貨の信用は極大化している状態なので国家が破綻することはないのである。国家が破綻する可能性があるのは円安の時だけだと頭に入れておこう。
投資下手の日本人がやるべき投資はこれ
記事タイトルにもあるが投資はしないのがポイントだ、一種の方便だが投資のツールは使うが単にリスクヘッジだけの目的でする、ということだ。儲けは期待しない、損しないことだけを追求するのだ。
でもたまたま儲かったらもちろん利益確定してよい。

簡単だろう
実際の経済では超円安やハイパーインフレーションばかりではなくほどほどの円安やマイルドなインフレやデフレが常態である。したがってリスクヘッジだけのためにやっていても「ちょっと儲かる」ということはよくあるのでその時はいったん利益確定してしまっていもいい。
最大の目的は円の暴落に備えることだ。なぜ円の暴落に備えるだけでいいかというと円が暴騰した場合は円の価値が極大化するということなので持っているだけで投資に成功した状態になるからだ。実は不運の極地に見えた超円高の時こそ我々の資産は最大化していたのである。
その証拠にその時ドルを買っていたらどうなったかを考えてみればいいだろう。1ドル=70円の円高でドル円を購入していたらかなりの利益がでることになるのはわかるはずだ。
したがって我々日本人は円高には備える必要はない。円高になってから外貨を買えばいいだけだからだ。なので起きるかもしれない超円高に備えつつ、メインシナリオである超円安や緩やかな円安に備えることができれば「いつかは」必ず成功するということなのだ。
そのためにすべきことは以下のことだけである。
- 全力でやらないこと
- 円を売り続けること
つまりFXで長期にわたり全力を出さずに円を売り続ければほぼ確実に成功するということなのだ。超長期の歴史的視点からは超円高はめったになく超円安こそが実現しうると考えれば超長期では通貨安に備えた方がいいことは考えてなくてもわかるだろう。
過去にハイパーデフレーションは起きたことがなく、ハイパーインフレーションだけが起きているからだ。ハイパーインフレーションは通貨安材料である。

もしハイパーデフレーションで究極の通貨高なんて起きたらそれは世界征服が完了した時だけだ しかしその時点でその世界通貨の破綻も始まるという矛盾がある
そうしたことがどこかの国家に起きればその時は何もしなくても天下を取ったことになるので滑り落ちる前に外国資産を買えばいいのだ笑
なのでやはりヘッジすべきは通貨安だけなのである。
あなたは毎月の給料から5000円とか10000円とかなくなっても耐えらえる額をドル円とか豪ドル円とかユーロ円とかのロングポジション。つまり円売りポジションをこつこつためていけばいいということだ。タイミングが判断できる人はドルコスト平均法を使う必要はなく恣意的に買えばいい。
また失敗しても少額で期間を置いてナンピンすればいいということだ。個人でも無限ナンピンが可能なのは以下の記事で示してある。
この記事を見た人はラッキーだ。なぜなら円安だけが制御できない事態であり、円高は制御可能で永遠に進行することはないと気づけたからだ。そしてハイパーデフレーション(通貨の暴騰)は起きず、ハイパーインフレーション(通貨の暴落)だけが起きるとわかっているのだから備えるべきは円安だけなのだ。

繰り返し言っているように円高の場合は円高になってから外貨を買えばいいので何も対策する必要はない
儲けることではなくヘッジだけを目的にするとそういう結論になるのである。
なのであなたがこれからすべきことはスワップ金利が多めのFX口座で時々円売りすることだけである(高金利通貨に投資すべきということではない)。超長期では適当でも大丈夫だ。最終的な通貨の暴落で一気に利益が出るだろう。そうでない場合、含み損になるが円高でさらに有利に物を買ったり外貨に投資できるようになるのでその時の余力を残しておけばいいだけだ。
そしてそうこう言っているうちに適度な円安もあるので含み益になる時はある。超長期で考えれば投資もそんなにリスクはないことがわかれば日本人もそこそこの成功を収めることができるだろう。
FXだけで十分だが手数料が低いロボ投資も併せて使えばそれで十分だと思う。