台風19号の爪痕が痛々しい。
しかし直近で起こった出来事としては千葉県に大ダメージを与えた台風15号の方が重要である。ここで示された政府のメッセージを正確に読み取ることが今後は重要だ。
そのメッセージというのは「被災しても政府が保証するのはブルーシートまで」ということだ。
実際には激しい被害を受けた家には無利子融資などの提供はあるだろう。しかし政府が大盤振る舞いをして家を建て直してくれるなんてことは当然ないのだ。過去の災害では復興国債などが発行されて大盤振る舞いされてきた印象がある。
具体的な資料までは見ていないのであくまでそのように認識してほしい。
災害の被害の対応がブルーシートまでとされたことでいったいどうのような意味があるのだろうか。
国家による価値の平準化の終わり
かつでのバブル経済を思い出していただきたい。当時全く価値がない山林にまでとんでもない値段がついていたのである。それがなぜかというとバブルと言ってしまえば簡単だが、日本には地方と都会を平等にするという思想が根強くあったのだ。つまり、政治的に地方の土地などの資産価格を支えるという構造だったのである。
これにより昔は地方の土地にも一定の価値は会ったのだ。
しかしその構造も徐々に崩れてきて地方の土地の方が値下がりは大きくなっている。それに10年くらい前までは当たり前だった公共事業も今ではそんなに行われなくなっている。
そして地方経済は疲弊しているといわれる。しかし考えてみれば、国家が人為的に地方を持ち上げなければ都会より地方が活性化しないのは当然のことだ。地方に金がばらまかれることの方が人工的で異常だったともいえる。
災害リスクの正常化 価格への反映
台風被害での政府の保証がブルーシートに限定されたことにより。災害に弱い地方の不動産価格は減少するだろう。なぜなら災害時に家を失うリスクが大きいからである。
同じ台風でも東京への影響は軽微で、千葉の影響は甚大だった理由はなぜだかわからないが、(高層ビルのせいで風が減殺されるのかもしれない)とにかく千葉の家は台風で破壊されやすいというリスク評価は残る。
災害多発地域の不動産価格の下落とその効果
千葉に限らず災害の多い地域というのはあるだろう。今後おこると予想される南海トラフ地震もそのうちの一つだ。以前ならば大災害が起きても政府が復興を保証してくれていたのに、今後は政府による補償は期待できず自助努力が求められるとなれば、そのリスクが価格に織り込まれるのが当然なのである。
場合によっては新規に建物を建築すること自体が合理的でないとされる地域も出てくるだろう。そこに住もうと別に勝手だが災害時の経済的な支出を自分ですることになるのは間違いない。
しかしそれも悪いことばかりではない。
田舎に格安で住むことが可能になる
このようにリスクを経済に織り込むことが進行すれば価格は下落するのが当然だ。地方の土地の価格はこれまで以上い下落するだろうし、家を建てる経済手的価値もなくなってくるだろう。そうするととにかく価格は安くなる。新たに家を建てるかどうかはともかく、中古住宅の価格は大幅に安くなるはずだ。そのことは田舎であれば格安で住居を手に入れられることを意味する。
田舎であれば生活コストは非常に安いという時代になるのだ。これまで以上にである。
田舎には仕事がないという思い込み
しかしいくら田舎に安く住めたって仕事がないじゃないか、というかもしれない。

しかしそれは思い込みにすぎない
実は今進行していることには、仕事の土地との分離というのもがあるのだ。
今副業がはやりつつあるがこの副業に分類されるものはほとんどがインターネットでできる仕事なのだ。インターネットで仕事をしてインターネットで提出する。またはインターネットで完結してしまうものがほとんどなのである。
インターネットで仕事ができるなら、どこに住んでいようが関係ない。したがって、地方に住んでインターネットで仕事をすることがもっとも経済的に合理的なのである。
台風15号に関してはこのようなとらえ方ができると思う。ぜひ生き方を変えるなど参考にしてほしい。

または初めからブルーシートに住むかだ